こんにちわ!!Dr.manaoです(^^♪
今日も私の経験した症例についてお話をしたいと思います。整形外科医として、必ず腰部脊柱管狭窄症の鑑別に挙げるべき疾患として、閉塞性動脈硬化症があります。
閉塞性動脈硬化症とは・・・
へいそくせいどうみゃくこうかしょう、ASO: arteriosclerosis obliteransは、主に下肢の、主に大血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には下肢の冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある病気です。
もちろん、上記疾患は整形外科医として当たり前のこととして鑑別としてあげなければいけない疾患ですし、国家試験の必須の鑑別疾患ではありますが・・・
医師歴13年目。むしろ診療に慣れ、そしてある程度の診断能力を得ていると傲慢になっているときに出会った疾患であります。
それゆえに、むしろ医師13年目にして初めて処置が必要なASO(閉塞性動脈硬化症)にでくわしたといっても過言ではない病態でした。
ぜひ皆さんにも知っていただきたく、今回お話しようと思いました(-_-;)
では・・・よろしくお願いいたします。👇
下記の青色枠部分は医療従事者ではない人は読まなくてもいいです(*_*;専門用語がありますので、興味があれば・・・(*_*;
症例:
40歳 男性
現病歴:
以前より他医師で腰部脊柱管狭窄症の診断にて、他医師にてブロック注射や内服薬にて経過みられていたようですが、通院しなくなり今回半年ぶりに私の外来受診。前日に仕事でかなり下肢及び腰に負担をかけてしまい、左の膝下外側の痛みが強くなり、びっこ引いて外来受診。本人曰く、前日の夜は眠れないくらい痛かったとのこと。
身体所見:
左下腿外側の疼痛+痺れー
明らかな下肢の筋力低下なし
腱反射(神経学的検査) PTR1/1 ATR1/1 VUD- 腓骨神経領域にtinel徴候-
明らかな圧痛部位- 下肢のむくみ-
下肢の色調変化-
画像所見:
Xp:腰椎OA前弯消失
以前の腰椎MRI: L4/5SCS左優位の椎間孔の狭窄あり
治療:
腰部脊柱管狭窄症に伴う神経根痛の再発と考え、リリカの内服再開による保存療法にて経過をみようと思いましたが、本人よりブロックの希望あり。以前やっていたコーダルブロックは効果ないとのことで、他のクリニックにて行った坐骨神経ブロック希望。坐骨神経ブロック施行(1%キシロカイン5ml+デカドロン1A)。症状は改善し、本人も喜んで帰宅されました。
経過:2日後、下肢痛再燃され、救急受診。その際に足が真っ白になったとの訴えをはじめて言及され、当直医にて閉塞性動脈硬化症(ASO)の可能性が懸念され血管外科にコンサルト。入院、造影CTにて左膝窩動脈での高度狭窄を認め、血管拡張術にて症状改善。
上記のような経験をしました。
医療従事者ではない人にとっては、上記の文はわけがわからないと思うので・・・
大切なのは!!
なかなか良くならない、足のしびれや痛み!!
整形外科にいっていて、神経痛ですね?といわれている方々へ
血管系の問題があるんじゃないかな?と思い、先生に相談してみてください。
簡単な検査で
血管系に問題があるのか分かりますし、また動脈硬化の状態が分かりますので、脳梗塞や心筋梗塞などの早期予防へとつながる可能性が十分にあります。
ちなみに
ASO(閉塞性動脈硬化症)の診断及びスクリーニングには、足背動脈や後脛骨動脈の触知よりも血管伸展性検査の方が圧倒的に感度,特異度ともに高いと報告されています。正直にいうと、足背動脈や後脛骨動脈の触知の有無では、見逃してしまいます!!!!!
血管伸展性検査が必要です!!( `ー´)ノ
こちら👇
<血圧脈波検査装置>
*血管伸展性検査として100点で算定可能。血管伸展性検査とは「描写し記録した脈波図により脈波伝達速度を求めて行うもの」。対象病名は閉塞性動脈硬化症または疑いで、都道府県審査会の判断にもよりますが、原則年1〜2回の算定が認められています。
上記のような疾患があることをぜひ皆さんも理解していただき、
このような機器で上肢と下肢の血圧比を測定し、血管の固さ及び血流の流れを評価することができます( ^)o(^ )
もし動脈硬化症を認めれば、下肢の痛みやしびれに対して血流改善の薬やまた内科的なアプローチから早期に高コレステロール血症または高脂血症を認める人は、食生活の改善及び適度な運動を行い、そして、改善がなければ早期に内服によるコントロール治療を行えば、相対的にも症状の改善にもつながり、また脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなると思われます!(^^)!
私も整形外科の枠にとらわれず、内科的な観点からも治療及びアドバイスができるよう日々精進していきたいと思います( `ー´)ノ
脱!!メタボ!!脱!!ロコモ!!!(^^)! Dr.manao
明日からもまた1週間が始まります!!頑張りましょう!!