こんにちわ!!Dr.manaoです。
今日は、稀な症例を経験し、またその治療に携わったことからその経験についてお話させていただこうと思います。
では・・・・
そもそもパンナー病って何?
パンナー病とは・・・
上腕骨(二の腕の骨)の肘寄りにある上腕骨小頭という部分の骨端核の障害です。上腕骨小頭の血流が阻害されることによって壊死(細胞の死)が起こります。5歳から10歳代の男性を中心に発症す非常に珍しい病気です。起こると関節に痛みや動きづらさを感じるようになります。安静にすることが治療になるので、症状を和らげて、負担をかけないようにします。
2年から3年で改善する事が多く、最終的に障害が残ることはほとんどありません。
パンナー病という診断ができれば、基本的には安静による保存療法にて特に後遺症なく治癒することがほとんどです。
つまりパンナー病であるという診断が必要になってくるのです。
鑑別に必ず挙がるのが、離断性骨軟骨炎です。
*Panner病=パンナー病
*OCD=離断性骨軟骨炎
上記のように
2:活動度の違い
(OCDの方が、積極的な肘への負担が大きい場合が多いです。肘への負担が強い動作をくり返しおこなっている傾向がある( `ー´)ノ)、
3:レントゲン写真に特徴の変化がある!!パンナー病は小頭全体にレントゲン変化が出現する一方、OCDは関節面にのみ変化が出現します!!
しかし、診断はできても・・・
その治療経験がないと・・・パンナー病は小頭が消失してくるようにみえます(-_-;)
経過とともに非常に不安感が強まってきます。
事実私がそうでした(-_-;)
医師なのに,整形外科医なのに・・・・大丈夫かな?不安だな?と何度も感じてしまいました。そして、たくさん文献も調べました。
もちろん、患者さんやその家族にはその不安感はみせません( `ー´)ノ
この症例に出会えたことは,私の今後の診療の財産となるでしょう。
このブログで発信することで、私のようにまだパンナー病の経過を経験していない先生の一助となり、また医師ではない方たちにとってもこのような病気があることをしっておいてほしいと思います。
では、どにような経過をたどっていくのかを提示します(__)
*初診時
上腕骨小頭に軟骨下に透亮像が出現。
*3か月後
上腕骨小頭が消失してしまいました。
小頭全体に変化を生じています。
ここで経験がないと、何がおこっているのか?このまま経過をみていっていいのだろうか不安になります。
しかし、肘のアライメント(外反肘になっていない)に変化はないことから、軟骨はちゃんと保てれていることがうかがえます。
*半年後
上腕骨小頭内に濃淡のある骨内変化が生じています。
パンナー病に典型的な像ですね。
骨新生がでてきていることがうかがえます。
上記の経過をみていきました。
好発年齢, 性別, 起こりやすい利き手,レントゲン画像の特徴,・・・・・
ずばりパンナー病に間違いない!!
自信をもって、安静、経過観察をおこなっていきました。
結果
上腕骨骨端核は再生し、レントゲン上も本人の症状なにもなく後遺症もなく終診となりました。
ぜひ、このような症例があること、また、知っていても治療経験がなかった先生にっとってもひとつの診療の判断材料になっれば幸いですね(^^♪
これからも医師として、2児の父親として、一人の大人として、
常に自己研鑽をわすれずにあゆんでいきたいなと思います。
頑張りましょう!! Dr.manao